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パフューム ある人殺しの物語

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PERFUME: THE STORY OF A MURDERER

評価 ★★★★★|★★
種別 サスペンス/ドラマ
製作年 2007
製作国 ドイツ/フランス/スペイン
配給 GAGA Communications Inc.
監督 トム・ティクヴァ
出演 ベン・ウィショー、ダスティン・ホフマン、アラン・リックマン、レイチェル・ハード=ウッド、アンドレス・エレーラ
【ストーリー】

18世紀、フランス。類稀なる才能を持つ1人の孤児がいた。彼の名はジャン=バティスト・グルヌイユ。何キロも先の匂いを嗅ぎ分ける驚異の嗅覚を持っていたが、なぜか彼自身の体臭はなかった。やがてグルヌイユは、パリの香水調合師バルディーニに弟子入りして香水の作り方を学ぶと、もっと高度な技術を持つ職人の街グラースへと向かう。グルヌイユは、天使の香りの如き至高の香水を創りたいと願っていた。それはパリの街角で出会い、誤って死に至らしめた赤毛の少女の香りだった。彼はグラースで、赤毛の美少女ローラが放つ運命の香りと再会する。遂に、命あるものの匂いを取り出す技術を 我が物にしたグルヌイユは、禁断の香水創りに着手するのだった……。


【レビュー】

これは一見の価値がある映画です。

特にラストは良かった。究極の終り方ではないでしょうか。

原作はパトリック・ジュースキントの「香水 ある人殺しの物語」。私は原作を読んでいませんので、この映画の原作がベストセラー小説であることは、この作品を見るまで全く知りませんでした。

犬の嗅覚をも凌ぐ類稀な能力を持つ青年という設定は、荒唐無稽すぎて出だしから怪しいのですが、緻密に組み上げられるストーリーからはB級の臭いは無く、本物のサスペンスの香りがしてきます。

またこれほど純粋無垢な殺人者というのも他でお目にかかった事はありません。主人公のバティスト(ベン・ウィショー)の生い立ちから、倫理観が欠如していたことは想像できますが、”究極の香”を捕らえるために生娘を次々と殺し、何の感情も抱かずに黙々とその裸体へ油脂を塗り”香”を蒸留する。一歩間違えばただのB級エロティック・サスペンスに成り下がるような内容も、バティストの寡黙さとその徹底した”作業”により全くと言ってよいほど、エロティック性が無いのは驚きです。これはベン・ウィショーの演技力の賜物でしょう。

またリアルにに描かれた18世紀のパリや香水の都グラースは、映像的にも価値は高くこれだけでも見る意味はあるかも知れません。

しかしこの原作者はよほどキリスト教が嫌いなのでしょうか。特にラスト30分の群集のトランス状態(同姓同士も有りました!)は、キリストの「隣人を愛せよ」に対する強烈なアンチテーゼ的な様相を呈していますし、彼らを導いたのは他でもない殺人鬼であるバティスト本人で、言わばイエス・キリストの対極をなす存在です。また究極の香を作るために必要な原料の数は「13」であり、13といえばイエス・キリストの13番目の使途”裏切りのユダ”を指しているような気がします。これは偶然の一致なのでしょうか?(ユダが裏切ったかどうかは諸説あるので無宗教の私には判りません)

それとこの監督はよほど”赤”に執着があるのでしょうか。最初に誤って殺してしまった女性も、13人目のローラも燃えるような赤毛だったし、そういえば1999年に製作された「ラン・ローラ・ラン」の主人公も燃えるような赤毛でしたね。


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