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イントゥ・ザ・ワイルド

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INTO THE WILD

評価 ★★★★★|★★
種別 青春/ドラマ
製作年 2007
製作国 アメリカ
配給 stylejam, Inc.
監督 ショーン・ペン
出演 エミール・ハーシュ、マーシャ・ゲイ・ハーデン、ウィリアム・ハート、ジェナ・マローン、キャサリン・キーナー、クリステン・スチュワート、ヴィンス・ヴォーン、ハル・ホルブルック
【ストーリー】

1990年夏
 ジョージア州アトランタのエモリー大学を優秀な成績で卒業したクリス・マッカンドレスは、将来の成功を約束された22歳の若者だ。ワシントンDC郊外の高級住宅街で育った彼は、両親や妹カリーンに何も告げることなく、中古のダットサンに乗って姿をくらました。これがクリスの壮大なる旅の始まりだった。
 彼が全てを捨てて旅立ったのは、物質社会から脱出して新たに生まれ変わり、いかなるルールにも束縛されない自由を得るためだった・・・。


【レビュー】

余りにも愚かな、刹那的青春映画です。

ジョン・クラカワー原作の「荒野へ」を、オスカー俳優のショーン・ペンが映画化。主人公クリス・マッカンドレスがアラスカの荒野で、その短い人生を終えるまでの道のりを追いかけたロードムービー。

恐らく私生活でイザコザの耐えないショーン・ペンには、原作の中に共鳴する何があったであろうことは想像に難しくありません。その思いは劇中、「幸福が現実になるのは、それを分かち合えるた時だ」と主人公自らに語らせています。

しかしこの真理に辿り着くまでにクリスが辿った道のりは、アラスカという目的地以外は刹那的としか思えません。彼は道中出会った人々から真理を表す言葉を何度も聞かされているのに、耳を貸そうとしていませんでした。

物質社会からの脱却をうたいつつ、しかしバイトをこなしながら対価としてお金を受け取り、アラスカ行きの準備をする。所詮その種族が生きる世界には、その世界のルールが存在し、生きていく為にはそこから逸脱する事は不可能です。

彼が生活を共にしたヒッピーたちも物質社会に組み込まれ、工業製品を当たり前のように使用します。人間が人間として生きていく以上、物質社会を否定する事は出来ません。それは彼が使用する生活必需品に表現されていました。特に彼が使う狩猟用の“銃”がその象徴だと思います。

恐らく彼はそのことに気がついており、それ故に無謀な挑戦を繰り返し、曇った目を晴らしたかったかも知れません。皮肉な事に、すぐ隣(自分の心の中)に彼の求める答えがあるにも係わらず・・・。

ただこの映画が悪くないのは、彼のピュア(ある意味傲慢)な心が共感する自然を、数々の素晴らしい映像美で我々に見せてくれる事です。たしかにあの瞬間は、日常の雑多な事柄から抜け出すことができ、心が洗われる思いがします。

恐らくショーン・ペンは主人公を通して、周りを否定し自分探しをする若者に対し、刺激することなく諭したかったのかももしれませんね。

すぐ近くに幸福があることを・・・。


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